シャーマニズムは、とても古い精神的な伝統で、その起源は遠古の時代までさかのぼります。具体的には、新石器時代の壁画や遺物からわかるように、シャーマニズムの一部と見なせる概念が少なくとも30,000年前から存在していたと考えられています。これは、シャーマン（意識を拡大させて様々な実践をする人々）がいた証拠を古代の芸術や工芸品に見ることができます。

ちなみに、”シャーマン”という言葉の語源とされる”šamán”は、ツングース語群（Tungusic languages）の一つであるイヴェンキ語（Evenki language）に由来します。イヴェンキ語はシベリアのツングース系民族であるイヴェンキ族が話す言語で、”šamán”はその中で「霊的な実践者」または「中間者」を意味する言葉とされています。

シャーマニズムの特徴は、シャーマンが精神世界と物質世界の間を旅する能力に大きく依存しています。シャーマンは、シャーマニックリチュアル（秘儀）やセレモニーなどを通して、意識を拡大させ、病気の治療、予言の提供や祈り、アート表現や哲学など、その情報をコミュニティのために活用してきました。

シャーマニズムは特定の地域や文化に限定されず、世界中の様々な文化で見つけることができます。シベリア、北米の先住民、アマゾンの部族、オーストラリアのアボリジニなど、シャーマニズムの実践者は世界中に広がっています。この点から、シャーマニズムは土着的に、その地域や文化に根差してきたと言えます。

シャーマニズムの歴史は、特定の時点や場所での起源を追跡するのが難しいため、文化的な多様性が豊かです。一部の研究者は、シャーマニズムが人類の最初の宗教的な形態であったと提唱しています。この見解は、シャーマニズムの概念と実践が旧石器時代から見られること、そして人類の多様な文化が独自のシャーマニズムの形態を発展させたことから生まれています。

シャーマニズムの信念と習慣は、地域や文化により大きく異なりますが、全てのシャーマニズムに共通するのは、意識の世界から物質世界を捉え、様々な実践を通して、そのコミュニティに様々な形で貢献をしているという点です。実践方法は、様々な形で表現されますが、祈り、癒し、音楽、踊り、変性意識になる実践など、特定の実践を通じて表現されます。